相棒に関する私見。《感想》

最終回、リアルタイムで観てたけど、展開がアレだなぁと最早傍観してた。
没入、感情移入含まずで。

捻りも何もないよねってのはネットでも観た。
意外性も何もないから、私もラストで寝落ちしたんだろうな。


ただ、意外性はないけど、納得出来たってのはある。
甲斐亨の人間性や、彼がこういう行動に出た事、最終的にはどうなるか。

甲斐亨はコンプレックスの塊だったと思う。
父親の存在が大きくて自分のアイデンティティーを確立しそびれたように思った。
それだけではない、相棒・杉下右京の能力に圧倒されコンプレックスは肥大化される。
しかも、刑事という職に憧れを抱いていた。(←この辺はネット情報)
でも刑事という仕事は万能ではなく、法では裁けない犯罪者を世に生み出してしまった。
しかも彼の身近な領域で。

これがダークナイトが物語内で生まれてしまった経緯。

ダークナイトは別の物語の必殺仕事人みたいなもの。
法で裁けないなら自分がやる!みたいな話はそもそも珍しくはないし、ハッピーエンドにはなり難い。
なぜなら、表に出せない行いという時点で犯罪に限りなく近いから。
法で裁かれない悪党を裁く手段が暴力である事がほとんどだから。
もちろん、責任を負えないと判断した側の甘さはある。
けれど、甲斐亨の行いは独善の領域。
杉下右京は最悪の結果になったとしても、真実を追う人だから、考えがずれてやがては相容れなくなるであろう事は最近のエピソード内にあった気がする。

あと、ダークナイトが一般に好意的に見られてたのも、今回の暴走の要因であったと思う。
甲斐亨の父親も『運の良い人間・悪い人間』の持論を作中で語ってた。
云わばこの言葉が甲斐亨の未来の暗示。

堕天使は悪魔と直接戦う天使に多いとされる。
人間社会でもいじめを目の当たりにするのに慣れた者の末路は傍観者というなの加害者という立ち位置に辿り着く。
警察内部でも、犯罪者に見慣れた刑事がそちら側に堕ちるというのはドラマ内で珍しくない。

『暗闇を見つめる時、暗闇もまたお前を見ている』
こういう言葉もあるので、甲斐亨くんの結末は意外でも何でもなかったって話です。

むしろ、真っ直ぐで居られる伊丹氏が異常とも云える。
《以上、感情終わり》