「魔法少女まどか☆マギカ ほむらリベンジ!」を買ってみた。《感想》

aoi-tuki2612014-02-12

読んでみて、思ったのはそんな駄作ではないなぁ…という事。
一応、レビューを参考にして期待値低めに本を手に取ってみたのだけど、予想外に胸アツだった。
特に2巻。

で、思った事を箇条書きにしてみた。


・「ほむら、リベンジなってないよ!」、について。
確かにワルプルギスには勝ててないけど、ほむらがまどかを救おうとする気持ちを諦めないで、再度希望を持ちながらやり直そうとする所に着地点を求めた物語なのだろう。
そう考えたら始まりと終わりが対になってるネ。

・「まどかが記憶を持ち越した意味がない!」
まどかのアクションが地味なのは確かに物足りないかもね。
とはいえ、さやかもマミさんも中々に相手の話を聞かない人だから、無理からぬ事だと思う。
ほむらの能力に対して思うのと同じで、『知ってる』事と『対処できる』事はイコールではない。
ましてや、まどかはただの『少女』なので。
概念になったのも魔法少女になった後です。
だから、彼女にできる事は、『危険な薬品入りのバケツを投げ捨てる』『(相手の話を)聞く・(相手に)語りかける』『誰かの傍に居てあげる』位しかないんじゃないかと。
特に最後の誰かの傍に居てあげるが重要な訳で。
リベンジ内でのまどかの役割は、『ほむらの(これまでの)戦いを覚えてる』という事なのでは、と思う。
孤独を知ってくれてる存在が居るから、今回のほむらはTV版本編より各キャラへの接し方が柔和になれる気がする。


・「キャラの描写が残念」について。
個人的に云うなら、マミさんとキュゥべぇが。
本編での初対面にあたるシーンのマミさんとか、観てて(;´д`)ってなりました私。
マミリッシュなマミさんはどこ?
あと、キュゥべぇの感情がある風な描写はイラっと来ますねぇ。

・「さやかの行動に説得力がない」について。
それは全2巻なのだから仕方がないと思う。
尺のせいでさやかの描写にページ割けなかったのだと察するしかない。
連載ではなく、ハノカゲさんみたいに発刊してればきちんと描き込めたかもしれません。
全ては大人の都合のせいです。



…と、まぁ、それなりに私は楽しめました。
アニメが元々、完成度が高く、この作品の2巻めは新編が公開されてからの発刊な訳ですから、難癖つけるのは容易いのです。
まどかが概念になり、新編でほむらが答えを出す。
完璧とは云えないものの、かなり完成度の高い結末なのです。
今さらワルプルギスの夜を倒す事が解決策にならない事は周知の筈です。
VITAのゲームと云い、実はオワコンでしかない代物をここまで描写するのは中々だと思うのです。
アニメをよく視た人ほど解るネタもふんだんに取り入れられてますので、ファンなら作者側は設定を読み込んだ上で描かれてる事位は解る筈です。
この話できっちりハッピーエンドにされたら、TV版〜新編の結末は完璧に『茶番』となるでしょう。
それと、今回においてはまどかが死んでません。
概念にもならず、魔女化もしない、生き延びる事に成功している。
今までまどかを観てきた人ならば、これほど喜ばしい出来事はそうそうないです。

・総括として。
この作品は企画自体に無理があり、作者側にはあまり落ち度はないと思います。
全3巻だったなら、もっと評価されたかもしれませんね。